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良さが凝縮された一杯を

s2621677
3 時間前
読了時間: 4分

こんにちは。芸術専門学群2年の菅野千裕です


つくば市も端の端、土浦市との境にある大(だい)。そこで見つけたのが、自家焙煎珈琲豆店「カフェくーり」だ。2026年で創業5年目を迎えるこのお店は、スイーツよりもコーヒーが主役。店内には多種多様な豆が揃い、その日のおすすめを店主が教えてくれる。実は店主、2011年から大にやってきたそう。友人に誘われてR8にいた時期もあったという。お店としては新参者なのに、昔からそこにあったように街に馴染んでいる。常連さんからも、来てすぐに街に溶け込んだことを驚かれるのだとか。街の端っこで見つけた、コーヒーと土地のいい関係。




↑これは今回頼んだ米焼酎で漬けた豆のコーヒーで、ほのかな米焼酎の香りがすごく良い。アルコールは飛んでいるので運転する方も安心して試して欲しい。毎年年末近くに出してるそうなので是非!


店主がコーヒーの世界に入ったのは、大学時代のアルバイトがきっかけ。もともとはコーヒーショップの正社員として働いていた。昔は酸味の強いコーヒーがあまり好きではなかったというけれど、今では酸味にもさまざまな表情があることを知り、豆ごとの個性を楽しんでいる。大切にしているのは、コクや風味の特性、そして飲み終わったあとに残る余韻。店名の「くーり」は、フランス語の coulis から。甲殻類などを濾してつくる、濃厚でとろみのあるソースのことだ。エスプレッソからコーヒーの世界に入った店主の思い出も重なっている。フランスへの憧れも昔からあり、渡仏を考えていた時期もあったそう。結婚を機にその計画は取りやめになったが、今は大で、自分らしいコーヒーの世界をつくっている。


お店で目を引くのが、雰囲気満点の古い窓。なんと1800年代の城、あるいは牢屋にあったものだという。もともとは二枚一組だったそうで、もう片方は横浜のコーヒー屋にあるのだとか。遠く離れた場所で、窓の片割れ同士がそれぞれのお店を見守っていると思うと、なんだかいい話だ。店主は、古いものを大切にする考え方が好き。店の外装に使う木材も、アンティーク家具を扱うお店に頼んで用意したという。フランスの片田舎をイメージしてつくった店構えは、不思議と大の風景にもよく馴染んでいる。古いものを単なる飾りにするのではなく、そのものが持っている時間ごと店に迎え入れる。そんな姿勢が、くーり独特の空気をつくっているのかもしれない。


今は落ち着いた店構えのくーりだけれど、もともとはキッチンカーでコーヒーを販売していた。店先に置かれた車は、その頃に使っていたもの。役目を終えたあとも、ただ片づけるのではなく、今のお店の風景の一部として残している。古い窓も、木材も、車も。くーりには、ものを使い捨てず、それぞれの来歴を大事にする空気が流れている。店先には、地元の農園で採れた野菜も並ぶ。他では見れないニッチなものもありどれも買ってみたくなってしまう。コーヒー豆の麻袋も置いていて、どれも柄が可愛くて2つも買ってしまった。プランターカバーにでもしようと思う。野菜も麻袋も購入すると保護猫活動への募金につながる仕組みだ。コーヒーを買いに来たつもりが、地元の野菜を持ち帰り、猫たちの暮らしも応援できる。いつもの買い物が地域とのつながりに変わるのも、このお店の面白さだ。



くーりの魅力は、コーヒーや古い家具だけでは終わらない。店主がこの土地に惹かれる理由のひとつに、大の人々が地域の暮らしを大切にする姿勢がある。大には奈良時代から続く歴史があり、地域では猫を大切にする人々の活動も行われている。保護した猫を不妊去勢し、その一代の命を大切にしようという考え方のもと、猫たちのためのご飯台なども用意されているそうだ。くーりでも、野菜やコーヒー豆の麻袋の購入を通して、保護猫活動に募金できる。大きな看板を掲げるわけではなく、いつもの買い物やコーヒーの時間が誰かのためになる。地域に根づくというのは、昔から住んでいることだけではないのかもしれない。土地の考え方を知り、自分のできる形で関わっていくこと。カフェくーりは、そんな街との付き合い方を見せてくれる一軒だった。

 
 

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