入り会う時間の大切さを知る
iriai(=入会) tempo(=時間)を生み出す場について、橋永さんへのインタビュー
聞き手・構成:北川りさ
北条市街地はつくば市の北側に位置する筑波山麓の地域である。その一角に今年(2021年)3月「iriai tempo」がオープンした。この魅力あふれるiriai tempoがいかにして出来、今後どのように地域と入り会っていくのか、発足メンバーの一人である橋永さんにお話を伺った。
―完成までに、沢山の方々が関わっていると聞きましたが、iriai tempoができるまでの今までのいきさつを教えていただけますか?―
はじめからこういった場所を作るという目標を掲げて活動していたわけではなく、「北条をもっと面白い場所にしたい」と思っている人が集まって月1回ミーティングをしていた中で生まれたアイデアの一つがiriai tempoでした。この月1回の会合は、ポステン(カフェ)で行っていたので「ポステンミーティング」というのですが、このポステンミーティングのメンバーがそのままiriai tempoの運営メンバーにもなっています。
ただ、僕(橋永さん)は少しみなさんとは経緯が違くて、ご縁があって2020年の2月に「北条大会議」に参加させていただいて、地域活性化に関わる事をやってみたいと思い、そこからポステンミーティングに参加するようになりました。
その後、2020年6月ごろに今のiriai tempoの元の持ち主の方からお話があり、この空き家を活用することになりました。また、つくばR8地域活性化プランコンペティションにも出すことになりました。
つくばR8地域活性化プランコンペティションとクラウドファウンディングで準備などに関わる資金を集めることができ、また、空き家の改修などには地域の方々や筑波大生の協力を得たり、さまざまな方の手が掛かって素敵な場所となり、今年(2021年)3月にオープンすることができました。
―活動を通して、感じていることがあれば教えていただけますか?ー
何か物事を行うという事は、関わる方々がいるということと相手を想う気持ちの積み重ねがあってこそだと思います。その積み重ねによって、継続的に事業を進めていけるのだと感じます。北条の人々は地域の繋がりや人との関係を大切にしている印象がありますし、自分がやりたい事をやるというよりかは地域の方々から話を聞いて、自分たちにできる事を少しづつ積み重ねて行っていきたいなと思っています。
―今後、iriai tempoでやってみたい事などはありますか?―
沢山あります!
例えば「寺子屋」をやってみたいです。ここで大学生が小学生に勉強を教えるとか、他世代の繋がりが自然にできる場所になれば嬉しいです。もっと小さいお子さんも来て欲しいです。子供を連れてきても仕事ができるような場所になったらとも考えています。
まずはご近所のおじいちゃん・おばあちゃん、小・中学生の方々などにきていただいて、たまり場(入り口すぐの座れるスペース)で様々な人とお話したり寛いだりして欲しいです。
なので、沢山の方々に来ていただきたいのですが、まずは地元の方々に根付いた場所にしていくことを目標にしています。その目標が達成された後、外からたくさんの人を呼ぶような催しも行いたいです。
例えば、北条はりんりんロードが近いのでiriai tempoの場所も活用して「ツールドフランス」のようなこともいつかは行いたいです。
ー聞き手の感想
インタビュー中に、初めてiriai tempoに来た3名のグループがいらっしゃいました。すこし戸惑いながらも、魅力的な場所だと言いながら「たまり場」(入り口すぐの座れるスペース)で腰を落ち着けて談笑し、初めて会う人とも気軽に会話をしたりと「入会」そのものを見ることができました。ここで過ごす時間は、ゆったりと静かに流れており、一度落ち着いてしまったら日が暮れるまで居ようか、と感じてしまうような雰囲気があります。
Iriai tempoに今後様々な方が訪れ、この場所から地域がより元気になっていくのだろうと想像して、5年後・10年後に北条という町がどのような場所になっているのだろうか今から想望してしまいます。
この度はインタビューをお受け下さり、ありがとうございました