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吉沼の自然 後編

こんにちは、筑波大学社会工学類都市計画主専攻三年山口敦生です。


前編に引き続き、魅力的だった吉沼の自然を紹介したいと思います。


市村商店や会田呉服店付近の南北に伸びる住宅地で見かけた住宅の庭。


イヌマキやアカマツ 、イチョウ、ソテツなど多様な庭木が植えられており、石灯籠や水鉢なども見受けられるこの日本の伝統的な庭は、訪れる人々を寛容に迎え入れてくれます。

田園地区ならではのこの和庭は、吉沼の趣ある古風な住宅を飾る装飾としてだけではなく、四季折々の変化を通した鑑賞や手入れを介して、住人、来客に現代では希薄になりつつある自然との交感を促してくれます。



浦里酒造店の杉田。


ご存知の方も多いと思いますが、杉玉は、杉の穂先をボール状に集めた造形物で、新酒が完成したことを知らせてくれます。吊るされたはじめの杉玉は緑色ですが、徐々に茶色がかり、その変化は、新酒の熟成具合と重なります。ちなみに、この時は、まだ店の軒先に吊るされてはいませんでしたが、裏で新しい緑色の杉玉が作成されており、新酒ができつつあることが伺えました。



まるで門のように水平方向に伸びたアカマツ 。


これは、門の左右のどちらかに庭木を植え、その枝の一つが門の上のほうに伸びるようにする「門かぶり」という植え方による役木の一つで、「門かぶりの松」と呼ぶそうです。

成り立ちは、高い身分でなければ門に屋根をかけられなかった江戸時代に、庶民が植木で屋根を作ろうと考えたのが始まりだとか。

他の住宅でも立派な「門かぶりの松」がいくつか見受けられました。



南筑波土地改良区付近の紅葉しかかった芝生。


つくば市に在住の方には、ご存知の方が多いと思いますが、実は全国で生産される芝のうち約43%以上の芝がつくば市で作られているそうです。

ここ吉沼でも、多くの芝生が見受けられ、紅葉しかかった芝生は、田園風景を淡い紅色に染めており、美しかったです。



ミートショップイチムラ近くの住宅?


木々や雑草が無秩序に茂りながらも、建物と自然が調和しているというか、作り込まないというか、日本古来の静謐な空間性のようなものを個人的に感じました。この時、そういえば高校の頃に読んだ古文で、「作り込まれた絢爛な自然より、ありのままの質素で慎ましやかな自然の方が美しい」といったような趣旨のものがあったなーとなんとなく思い出しました。

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