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今の役所・昔の役所  

こんにちは。筑波大学芸術専門学群の中葉史人です。


現在つくば市の市役所は研究学園にありますが、広大なつくば市内には各地に窓口センターがあり、業務を補完しています。そして栄地区にあるのが桜窓口センターです。



(桜窓口センター)



営業時間:午前8時30分から午後5時15分まで

     (土曜日、日曜日、祝祭日、12月29日~1月3日を除く)

電話番号:029-883-1404

住所:茨城県つくば市流星台61番地1

位置






窓口センターは桜歴史民俗資料館の中に併設されています。以下は平成21年度に作られたレイアウトです。




桜窓口センターがある隣に見えるのは旧桜庁舎で、今は使われていません。旧耐震の下建てられた為、取り壊しが予定されています。


付近にあるつくば市立桜総合体育館同様、桜色で塗装されていた様ですが、かなり褪色しています。体育館は現在も利用されているので、旧庁舎もなんとか有効利用できないでしょうか・・・。


               

                                   

(桜歴史民俗資料館)



館内

歴史民俗資料館では旧桜村を中心とした、周辺地域に関する展示を行っています。

また、窓口に問い合わせる事で、つくば市の文化財や遺跡に関する貴重な資料を見せて頂く事もできます。

近代都市計画によって今の研究機関や大学が作られましたが、それ以前の古代〜戦後に至るまでの旧桜村の歴史・民俗が詳しく知れる資料が展示されています。






また、栄地域は古墳の遺構や遺跡が多く見つかっています。古代の役所跡である金田官衙遺跡も見つかりました。




(金田官衙遺跡)


桜歴史民俗資料館の近くでは昭和34年に正倉院跡や掘立柱建物跡・廃寺跡が発見され、郡衙の様子が伺えます。

※現在は私有地になっており、開発されているため立ち入り禁止となっています。


古墳時代以降、日本の社会は大化改新を経て律令制に変化しました。

地方では国ー郡ー里(郷)の行政組織が成立し、国・郡には役所を指す「衙」と呼ばれ、公的施設を総合して「官衙」といいます。

この官衙は他にもあり、平沢官衙遺跡では復元された当時の姿を見ることができます。


ここで見つかった金田官衙遺跡は常陸国風土記に記述された河内郡衙遺跡と考えられます。

栄地区には古墳が多く見つかっており、400以上の竪穴式住居跡も確認されています。

     

遺跡北部には掘立柱・3間×9間の大型建物も見られます。

西部には古代寺院である九重東岡廃寺があり、瓦が多く出土しています。


・出土物

金田官衙遺跡出土の瓦。 左のものには郡衙施設の一つ、「厨」の文字

硯や銅印も多く見つかり、出土遺物に役所としての特徴が見られます。




まとめると、


・古代ー大きな地方役所が存在し、官衙として残る

・近代ー桜町として地域の中心的機能を持つ。桜庁舎が建てられる

・現在ーかつての庁舎は現在使われないが、役所機能を持つ窓口センター・資料館など、複合的な機能が集まる場所


があった、と分かりました。


栄地区には、古代から今に至るまで周辺地域の中心となる施設が存在し、住民同士も強い繋がりを作ってきたのだと感じます。近代都市計画がされた筑波学園都市だけでなく、栄の様な周辺地域には歴史的な魅力が残っている所が多いです。ぜひ訪れてみてください!


桜歴史民俗資料館では関連する多くの資料を展示してあり、文献も閲覧できます。

桜村や周辺地域の歴史・文化・民俗について知りたい方は特におすすめです。




<参考資料>


・「桜村史上巻」(桜村史上巻編纂委員会)

・古代つくばの郡役所ーよみがえる官衙遺跡ー

・旧庁舎活用方針 本編(つくば市)

・歩いて発見!金田・桜川マップ

・つくばの文化財

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