こんにちは。筑波大学、芸術専門学群3年の八木明日香です。
こちらの記事では金村別雷神社の幻のお神輿についてご紹介します。
(拝殿の横、回廊の下に白木のお神輿は鎮座していました。↑)
茨城県つくば市上郷にある金村別雷神社は茨城県・つくば市指定文化財にもなっている小貝川のほとりに建つ創建931年の神社です。
(アートで見る上郷 ー金村別雷神社天井画ーという記事で
この神社の拝殿の天井画について詳しく知ることができるので是非ご覧ください!)
こちらの神社では、60〜65年ほど前まで、毎年7月ごろに八坂神社の祇園祭(夏祭り)で白木の御神輿が使われていました。
江戸時代から続いていた御神輿で、卍のマークが見受けられます。
まるで小さな神社のような造りで、骨組みなど非常に精密に作られており、屋根の部分には拝殿と同じ「ちぎ」の跡が見受けられます。
金村別雷神社は雷神様を祀っています。
雨が降り大地が潤い川ができる(水位が増える)ことから水にも関連する神様ということで、御神輿は「水に流す」という独特なやり方で移動させていました。
神社のすぐ近くの小貝川は春の田植えの時期から8月
一杯は水位が上がり水が溜まります。
本殿の横に川に降りる小道があり、そこから御神輿を
水の中に入れ、川の中を流して橋に差し掛かるところ
で回収し引き揚げて、参道の真ん中を担いで帰ってくる
というのが一連の流れだったそうです。
なぜ今は使われていないのか?
担ぎ手がいなくなってしまい、徐々に使われる機会が減り、今では神輿殿の中に飾られているのみで、実際に使用する機会はないと現宮司は語っています。
周辺の地域でも実際に御神輿が使われているのを見たことがある人は2人ほどしか居ないそうです。
復活への意気込み!
地元方々も宮司さんも、「川に入れられなくてもせめて少しだけでも担ぐことができたら…」と御神輿の復活を望んでいます。
一見しっかりとした造りですがシミやヒビなど修繕が必要と思われるので塗装関係の方や宮大工さんに見ていただきたいとのことです。
今回の取材で私も、
もう一度白木の御神輿が川を流れる姿を見たいと強く思いました。
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