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『谷田部で見つけた過去の片鱗と今』後編

こんにちは。芸術専門学群2年の小原映理です。

前編に続きまして後編におきましても、引き続き谷田部の町を散策していこうと思います。

前編においては町の過去の姿に思いを馳せるなりしたわけですが、後編では今現在の町の姿を見て行きます。

私は普段より建築や都市計画に関連する授業を多く受講しておりますので、今回は谷田部の町並みに注目していこうかと思います。主に谷田部を散策する中で、町全体というよりも、ヒューマンスケールにおいて実感できたものを取り上げていこうと思います。


自転車で谷田部周辺の通りを走っていて思ったのですが、今風の戸建て住宅の合間に入母屋の和風住宅というのをよく見かけます。どれも東京のせせこましい我が家とは違って立派なものです。民家なので写真は撮りませんでしたが、今よりももっと田畑の多い頃、大きな土地を持つ農家だったのかもしれないですね。


そんなことを考えていたら、大きな通りに出ました。

皆さんお馴染みの県道19号、谷田部インターチェンジへと繋がる大通りです。やはり交通量が多く車で立ち寄る人が多いからでしょうか、この通りのマックはドライブスルーが2車線あります。

初めて見ました。というか、駐車場の広さも尋常ではありません。写真には写っておりませんが、建物の右手側にも広くテイクアウト用の駐車スペースなどがとられています。勿論マックだけではなく、大通りに面する店舗はどこもかなり駐車場に土地を割いています。そのせいで建物同士や建物と道路の間に広く空間が生まれ、随分と空が広く感じられました。人通り自体が少ない分、余計にもの寂しくも感じられます。つくば市全体として言えることかもしれませんが、回遊性のない車社会を酷く実感しました。暑さもあるのでしょうが、ここまでほとんど人とすれ違うこともありませんでした。


交通量が多い分なんだか騒々しい大通りから一度区画の内側へ入ると、かなり閑静になります。思い切って脇道に入り、分かれ道を右手に曲がっていくらか進むと、いつの間にか寺の境内らしき場所にやって来ていました。

地図を確認してみると、どうやら一体が公園となっているようでした。しかしあまり公園感は感じられなかったので、少しこの敷地内を散策してみることにしました。すると、池に浮かぶ小さな社を発見しました。

水の神様、弁財天です。本当に小さな社で、橋も数歩で渡り終えてしまいました。こじんまりとしていて、なんだか愛らしいです。この辺りにはベンチや座ることのできる石台がいくつか設置されていました。大きな通りから離れているので、静かで、落ち着いた雰囲気のある憩いの場といったところでしょうか。池の中で遊ぶ子供たちを見守る母親らしき女性の姿もベンチには見ることができました。


続いて、公園手前の分かれ道のもう一方の道に進みました。すると、一瞬で視界が開け、広々とした空間に出ました。

多目的グラウンドです。このグラウンドのすぐ隣にはオムニのテニスコートが並び、奥には野球場もありました。更に、川を隔てながらも、其処から橋を渡ってすぐの場所に総合体育館があるのも見つけました。一帯にスポーツ関連施設が集中しているのですね。この辺りが町のスポーツの中心地として整備されたのであろうことが容易に想像できます。

訪れた日には丁度、少年野球の試合が行われていて、賑やかな声がよく聞こえてきました。今回谷田部の周辺にやって来てから、すれ違うのはほとんど車ばかりでしたから、こうして沢山の人の声が聞こえると活気を感じられてなんだか安心してしまいます。



普段、谷田部の町を通り過ぎる時、私はいつも車の中にいます。谷田部には、父の車に乗り東京にある実家に帰る際、もしくは東京からつくばに戻って来る際に通る場所、という認識が強くありました。詰まるところ、谷田部という町自体にはほとんど触れたことも、降り立ったこともなかったのです。谷田部に直接足を運ぶ機会は、この授業を取っていなかったら今後なかったのかもしれません。地元以外の等身大の町の姿を、改まって見つめることはそうそうないものですから、貴重な機会になったように思います。


それでは。

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