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街をつくる脇役の存在〜谷田部〜

こんにちは。芸術専門学群2年の室和沙です。

今回私はR8の地域の中で谷田部を選択しました、

丁度谷田部祇園祭が開催されていたこともあり、人々が沢山集まり賑わっていました。


さて、今回私がこの町で注目したのは脇役の存在です。

急に脇役と言われてもなんのことやら、と思うかもしれませんが、私はこの地域の雰囲気をつくり出すのは歴史的建造物などのシンボル的存在よりも、脇役の建物(風景)によって成り立っているのではないかと思いました。

例えば、この道路。

私が投稿したもう一つの記事を見ていただければわかると思いますが、、、そうです。

神輿を担いだ場所です。この道路は祭りの間、封鎖されていて車が通ることができないため堂々と真ん中に立って写真を撮りました。まあ、これを見てもなんら変わりない普通の景色見えるでしょう。私にもそう見えます。しかし、そのような普通の景色が私にとっては少し特別に見えます。この道には歴史のある玉川堂(もう一つの記事を見てください!)があったりするのですが、それらはタワーのようにものすごく目立つ存在ではなくひっそりと佇んでいます。普通なはずなのに、何か特有の雰囲気があります。



ここでさらに2枚の写真を載せてみます。

上の写真は八坂神社の入り口です。鳥居が奥に見えますね。

鳥居までの広い歩道は舗装されていますが、継ぎ接ぎになっており間から短い雑草が生えていて、その中途半端さが神社の魅力を引き立ててくれているようにも感じます。

しかし、どうしても私の興味を引いたのは神社の入り口の左手にあったコインランドリーです。看板の褪せた色、原色を使ったデザイン、レトロなフォント、年月を重ねた独特な雰囲気がこの町にしっくりと馴染んでいるように感じられました。とても広いけれど、どれくらいの人が利用しているのだろうか、夜になったらどのくらい明るいのだろうか、町をどのように照らしてくれるのだろうか。など、想像を膨らませました。私がこのような脇役的存在、普通の道路、町並みに魅力を惹かれるのは、ドラマの影響だと思われます。

普段ドラマを見ていると、少ししか訪れたことのない場所でも「ここは〇〇だ!」と気づくことがあります。しかし、それはシンボル的存在(スカイツリーや富士山、有名なお店など)があるからではなく、ドラマで使われる背景は意外となんでもない場所のことが多いです。

私の家の近所にもよくドラマやCMで使用される撮影スポットがあるのですが、そこもなんでもない場所です。しかし、そこはなんでもない橋のはずなのに夕日の差し込み方や微妙に見える屋形船、緑色に寂れた橋、それらによって制作側が求める何らかの雰囲気があることには違いないでしょう。

こちらは五角堂の隣にある明超寺までの道(右手側)に現れた年季を感じる建物です。

一応五角堂は茨城県指定史跡であり、地域の方達はみんな知っているようなシンボル的存在です。しかし、今回も興味を惹かれたのはこちらの建物です。実際この建物が何だったのかはわかりませんでしたが、不気味に穴が空いている塀、そこからちらりと見える家の内部、静かに佇み存在感がありつつ今にも壊れそうな脆い危険さを感じながら、ここでも想像を膨らませました。さすがにここまでくると、そろそろシンボル的存在になってきてしまうのではないかと思いますが、隣に圧倒的存在五角堂がいるために良い感じに脇役としての役割を果たせているような気がします。


最後の写真です。

これは単に私の好きな風景を選んでみました。日が落ちる時間帯に撮ったため、曇り空と夕日が描く幻想的な模様が田んぼの水面に移り、広がっています。これもドラマで十分使えそうですね。主人公が学校から自転車で帰っているシーンが見えました。この時もカメラに写っているのは主人公であり、この風景は背景に過ぎません。しかし、この時の主人公の気持ちを引き立たせてくれるのも、この背景です。もちろん、撮り方の技術にも表現が大きく左右されますが、私たちは思っている以上に脇役(風景)に頼って状況や感情を受け止めているのではないかと思いました。


もしかすると、単に私の地元にない風景に魅力を感じただけかもしれませんが。。。

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