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執筆者の写真林樹生

気ままに北条さんぽ「前編」 〜歩いて見つけたランドスケープ〜

こんにちは。芸術専門学群2年の林樹生です。今回私は以前少しだけ訪れたことがある地域を深掘りしてみようと思い、北条に行ってきました。

この記事では北条の町と筑波山の関わりを中心に、少し北条をという地域を読み解いていけたらと思います。


少し余談ですが、今回北条を選んだもう一つの理由として、私が最近購入した自転車のライドも兼ねてと思い、近すぎず遠すぎないところにしよう遅うのがありました。予想していた通り、少し暑いながらも夏を感じる清々しいライドができて非常に満足しています。自転車に乗りながら北条の街中に着くまでの田んぼ道を走っていると、正面にちょうど筑波山が見え、そこに向かっていっている感じが少しわくわくし、同時に緊張もしました。地図で見てみても田んぼの道の向きが山の方を向いているのが分かり、田んぼを作る時に当時の人々がどんな意図を持って、どんなことを考えてその向きにしたのかを考えると、何の変哲もないただの田んぼ道もまた違った見え方をしてきます。


街中に入ると真っ先に目に飛び込んできたのは、交差点のすぐ目の前にある「八坂神社」という神社でした。この写真には写っていませんが、この写真を撮っている道路と直行した道路にずらっと紅白の提灯がかけられていました。少し話が前後してしまいますが、この後に行ったうどん屋の大将に聞いてみたところどうやらこの八坂神社の祭りなのだとか。この距離感で神社がありその祭りがあるという非常に密接な関係性が視覚的に分かり、地方ならではの暖かさを感じると同時に、つくば駅周辺から自転車でも1時間かからない場所にこの風景が広がっていることが非常に面白かったです。


お昼飯は街中にある「釜揚げうどん店 あおやま」といううどん屋さんで食べました。非常にいいお店でしたが、店内やうどんの感想はまた次の記事で書くとして、今回はうどん屋の入り口で偶然見つけた筑波山について書こうと思います。この写真は入り口を店内から撮ったものになりますが、ちょうど暖簾がよけられているところから覗く形で、筑波山を臨むことができました。美味しいうどんを食べて店を出ようとすると、目の前に雄大な山が現れるという、何ともお洒落なシークエンスに魅せられてベストショットを求めて何枚も写真を撮ってしまいました。


昼食の後は、少し街中からは離れたところにある「平沢官衙遺跡」に行ってみました。最初は手前のハスの花がとても見頃で背後にある遺跡に気づかなかったのですが、ハスを過ぎと一気に視界が開けて、今までの景観とは不釣り合いなほど迫力のある建物が現れました。写真はその中でも一際存在感のある中央の建物です。この建物は真ん中が大きく切り取られた吹き抜けになっており、それを正面から見ると切り取られた背景の中央に筑波山が現れる仕組みになっていることに気がつきました。調べてみるとこの建物は奈良・平安時代の郡役所として使われていたものらしく、ここでも視対象として筑波山が大きな意味を持っていることから、筑波山が畏怖の対象としても大きな影響力を持っていたのではないかと感じました。



この写真は筑波山からの軸線と直行する方向に続いている道を写したものです。ただの一本道ではなく、絶え間なく色々な曲線が混じり合ってできていて、道沿いの民家の生活が今にもはみ出してきそうな臨場感が非常に魅力的な街並みだと感じました。さまざまなファサードや生垣など一つとして同じものがなく、常に面白いものが目に飛び込んでくることで「次は何があるんだろう」思わされ、小学校の下校時のようなわくわく感がありました。イスラム式庭園のように、一本道の一番奥に目標物が見えていて視対象との関係性がはっきりしているのも緊張感や荘厳な感じがしていいですが、この視対象がどんどん移り変わっていく景観もまた違った良さがあるなと感じました。



さて、今回は北条の街並みを全体的に眺めてみたところで終わりにしようと思います。

少しでも北条の雰囲気を掴んでいただけたら幸いです。


ではまた後編で。

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