みなさまこんにちは、筑波大芸術専門学群4年の染谷美也子です。私は上郷の中の、小貝川との関連性のある場所を拾い集めていくような記事を書いています!
今回は小貝川と祈りについて。春日神社を取り上げます。川はかつて、恵の水をもたらしてくれる存在でもあり、氾濫を起こす恐ろしい存在でもあり、崇拝の対象となっていました。小貝川もまた、そのような存在であったはずです。春日神社で、かつての小貝川への崇拝の念を感じることのできる石碑を見つけました。
春日神社は931年から続く神社で、中世に台豊田上郷を支配した豊田氏が豊田城の鬼門守護のため勘請したといいます。現存する境内は平成10年に再建されたものです。
①春日神社入り口
(写真1 2019年11月27日撮影)
こちらが、春日神社入り口です。入り口を探すのに少し迷ってしまいました。立派な石で作られた石標がありました。少し小高い場所へ誘われる直線的な参道が印象的です。どんな境内が待っているのでしょうか。ドキドキしながら坂道を登ります。
②春日神社鳥居
(写真2 2019年11月27日撮影)
坂を登ると、視線の先に真っ赤な拝殿が見えました。朱色とは違い、あまり見ることのない鮮やかな赤色です。参道脇の今は枯れている梅の木、曇り空、鳥居、その先の真っ赤な拝殿が見え、おどろおどろしい雰囲気が感じられます。
③板碑
(写真3:板碑 2019年11月27日撮影)
こちらが、上郷と小貝川の関係性を示す板碑です。板碑はつくば市指定の参古資料であり、筑波地産出の雲母片岩製。この板碑は「雨乞石」ともいわれ、往時は旱魃のとき、板碑を小貝川に担ぎ入れて雨乞い祈願をしたと伝わっています。上郷集落にとって、小貝川は農業や生活に必要な、水を与えてくれる神聖な存在であったことが伺えます。
④小さな祠
(写真4 2019年11月27日撮影)
拝殿と同じように赤色で塗られた小さな祠があります。祠の位置や方角に何か意味がありそうです。祠に付いている小さな扉は少し開けられた状態になっていて、中に入っているお札を覗くことができました。拝殿も同様に、中が少し覗けるようになっていました。中がどうなっているのかは、実際に行って確認してみてください。
⑤春日神社隣のソーラーパネル
(写真5 2019年11月27日撮影)
お参りを終えて、境内の外から春日神社を見ます。真っ赤な拝殿のすぐ隣に青黒く空を反射するソーラーパネルがたくさん並んでいる景色に、異様さが感じられました。
とても居心地の良い場所とは言い難いですが、坂のある直線的な参道と脇の梅の木、そして真っ赤な社殿が、春日神社にいるときの没入感を演出してくれていました。
上郷の小貝川への祈りの念を感じることのできる春日神社。少し不気味で不思議な世界観をもつ場所でもありました。
小貝川への畏敬の念が残る神社ですが、場所がとてもわかりにくかったり、拝殿の色が並々でないほど鮮やかであったり、すぐ隣に大量のソーラーパネルが並んでいたり、不気味とも言える雰囲気を纏った不思議な神社でした!
この場所を見つけて、この神社の世界観を味わってみてください…!
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