こんにちは。理工学群2年の興美咲子です。今回はつくば市北部の、筑波山山麓に位置する北条へ訪れ、地域の”まちづくり”や”まちおこし”について実際に訪れた経験や印象、携わっている方々からのお話などに基づきながら考えていきたいと思います。
さて、北条の街中ですが、歩いていると田畑が多く広がり、民家、お店などがまとまってあるところと点在しているところがあり、農地が住宅地と混合している印象を受けます。また、一番強く感じたのは“空き地の多さ”です。町の中を歩いているといたるところに空き地であろう、雑草が生い茂ったところや、不動産会社の看板が立てられている土地が見受けられます。下の写真は、空き地と田んぼが隣り合っている場所の写真です。左側はきちんと整備された田んぼであるのに対して、左は整備されていない空き地となっていています。空き地をうまく使うことができれば、活気をさらに得ることができそうです。
空き地活用はまだまだこれからとして、北条は長くまちおこしを頑張ってきている地域なのです!例えば”つくば霞ヶ浦りんりんロード”をご存知ですか。初心者から玄人まで楽しめるサイクリングロードで、土浦駅から筑波山ルートや霞ヶ浦ルートがあり、サイクルツーリズムを楽しむことが出来ます。北条は筑波山ルートの通過点として、りんりんロードを利用している人の目を豊かな自然をもって楽しませているのです。また、北条をサイクリングで訪れることで知ってもらったり、北条を楽しんでもらったりなど、新たな活気獲得のチャンスがある、ということでもありますね。下の写真は北条を通っているりんりんロードです。
つくば霞ヶ浦りんりんロードの開設に伴って”自転車乗りの方が利用しやすい施設”の必要性が増します。というのも、ロードバイクは普通の自転車ではないので置く場所に困ったり、食事処に入るところも選ぶことでしょう。実は大池公園の近くにある食堂があります。「彩食工房ひるくらいむ」というご飯屋さんです。下はその入口の写真ですが、ロードバイクをかけておけるような作りになっていることが分かると思います。実はこのお店は、自転車乗りでもご飯を普通に食べに来るお客さんでもみんなが楽しめる食堂になっているのです。1階では自転車やヘルメット、りんりんロードやそのほかのサイクリングロード関連のパンフレットなどが置いてあり、2階が食堂になっています。
下が2階の食堂の写真です。全体的に木の雰囲気が溢れ、落ち着いていて、しかし活気が感じられる店内です。至る所に自転車関連の飾りがあり、自転車乗りの人はワクワクする内装ではないでしょうか。狭めの店内ですが、私が入った時はサイクリングロード利用者であろう方々で席が埋まっていてびっくりしました。自転車乗りの人には空気入れの貸出やボトルの水の補給などのサポートを実施しているらしく、りんりんロードを利用した際はついでに寄りたくなるような食堂です。このような商業施設があることで市内外問わずサイクリングロード利用者が訪れやすくなり、実際に訪れることで北条の知名度を上げたり、お金を落としてもらうことができ、地域の活気につながります。
また、北条には“北条ふれあい館”とよばれる施設があります。北条ふれあい館は主に休日空いている、地域の方々が交流できる施設です。最近二代目としてこの建物に移ったそうです。このふれあい館では「米スクリーム(まいすくりーむ)」と呼ばれる北条の名物を扱っています。北条はお米の名産地で、一時は献上米として有名でした。そんなお米が使われているお米です。地域おこしの一環として開発されたこの米スクリームは、餅みたいなアイスクリームのような…なんとも不思議な感覚で、とてもおいしかったです!ふれあい館にいた方々にもよくしていただき、お手玉を教わったり、今まで行ってきたまちおこしのことについてなどたくさんのお話をしていただきました。
北条ふれあい館の建物は大正時代からある大変貴重な建物です。このように大変貴重な古民家が良い状態で残っていることも北条の魅力でもあります。北条のまちなかを歩いていると、古民家と思わしき建物が多いことにすぐ気が付くと思います。その魅力を生かして北条はまちおこしを行っているのです。宮本家住宅や矢中の杜、カフェ・ぽすてんなど、重要な古民家の状態保全に努めたり、リノベーションや転用を行って魅力を創出しています。下の写真は宮本家住宅の写真です。醤油屋だったらしく、開放性よりいかに商品を守るか、というところに重点を当てている住宅です。中は見学ができ、倉庫は小さなコンサート会場になっています。以前は音楽団の方を招いてコンサートを開催していたそう。なんとも活気あふれる使い方ですね。
北条のまちはりんりんロードや米、古い街並みや古民家を用いて魅力を高めるまちづくりを行っています。ほかにも運動会を行ったり、市を1年で4回開催したり、祭りを開催したり…たくさんのイベントを開催し、地域内外問わず人同士の温かい交流が生み出されています。今、通信機器の発達や新型コロナウイルス、夏の酷暑など、人と会う機会がどんどん失われていく現在で、私は北条の自然や建物、人と触れ合い、安心感をなぜか感じ、暖かな気持ちになれました。北条のまちづくりは景観や交通などのハード面のものではなく”人がより善く生活する”ためのソフト面での街づくりであり、日本でもっと行われていくように感じました。ぜひ一度訪れ、”あたたかさ”を感じてみては。
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