こんにちは。筑波大学芸術専門学群4年の久保木結香です。
今回は谷田部のまちを歩く中で見つけたレトロなものをいくつか紹介していきたいと思います。なお本記事で紹介するレトロなものは筆者の独断と偏見100%で選んだものですので「これレトロじゃなくない?」と思うことがあってもあしからず…。
まずはこちらの看板。看板には「田丸屋豆腐店」という店名が筆で書いたようなフォントで書かれています。何の変哲もない看板と言えばそうかもしれませんが、シンプルな漢字の店名や少し色あせたところが、谷田部のまちに昔からあったことを想起させる看板のような気がしてレトロだと思いました。昔ながらのお店の看板はお店が閉店していくと共に徐々に姿を消していってしまうものですが、そういったものが谷田部には今もまちの風景の中に残っていることがわかる例ではないでしょうか。
次はこちらの看板、と思わせて看板ではありません(看板もレトロだと思いますが)。注目して欲しいのは看板の下、建物1階部分のシャッターの横の一部にあるタイル張りの壁面です。このなんとも言えない茶色系統の色でまとめられたタイル貼りの感じ、いかがですか?私は見つけた瞬間、祖父母の家の玄関のタイル張りを思い出して「レトロだな」と思いました。ちょっとした外壁ですが色味、タイル張り独特の模様が昭和っぽくて私は好きです。
次はこちらの歩行者用の信号機。「普通の信号機じゃないの?」と思われた方が多いかもしれません。確かに機能的には普通の信号機です。ですがよく見てみてください。…お気づきになりましたか?そうです、この信号機、電球式なんです(たぶん)。最近は省エネなLED式信号機への切り替えが進んで、昔ながらの電球式信号機はどんどん減っているんです。昔は一般的だった電球式もLED式が普及した今ではレトロなものに思えるということに少し哀愁を感じます。改めて見ると温かみや味があって電球式も素敵なんですけどね。
次はこちらのバス停。錆びて赤茶色になった屋根の骨組みからも歴史を感じる年季が入ったバス停です。古ぼけた2つのベンチがレトロな雰囲気を演出しています。どちらのベンチもレトロなデザインですが、私としては奥のベンチが気になりました。背もたれに書かれた「明治牛乳」のフォントがレトロで味があると思いませんか?昔から地元の人たちが日常生活の中で利用してきたと思うと、谷田部の歴史の一部を垣間見ているような気がしてくるバス停でした。
最後はこちら。普通の昔からある日本家屋ですが、よく写真を見てみてください。建物正面の引き戸の右隣に注目すると…
「飯泉歯科」という小さな看板がありました。だいぶ色あせてはいますが「歯科」の文字が。つまりこの場所は歯科医院だったと思われます。建物と看板を見て思ったことは、昔から歯科医院もあったんだよなということ。今だと歯科医院と言えば自動でリクライニングする診察台や電動の様々な器具がイメージされますが、昔の歯科医院はどんな場所だったんでしょう。昔の病院はドラマで登場するのでなんとなくイメージできる部分もありますが、歯科医院はドラマでも見たことがないような…いったいどんな感じだったんだろう…。話は逸れましたが、小さな看板1つで想像が膨らむのは面白いことです。昔のことに思いを馳せさせるこの看板はまさにレトロなものといっても良いのではないでしょうか?
一見地味なものでも、よくよく観察して考えてみると面白い発見があることを谷田部のまちを歩く中で感じました。まちを歩くときにはよく意識して周りのものを見てみると思いもよらぬ発見があるかもしれませんね。
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